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四日市に丸善が来た!

というわけで、一昨日、偵察に行って来た。四日市駅前にある近鉄百貨店の地下2階が、まるごと丸善になってしまったのである。

中央に一本通路があり、そこから左右に小さな通路が伸びて、人の身長ほどの書棚がジャンルごとに整然と並んでいる。広さもあいまって、書店というよりは、図書館の趣だ。私がいつも行くスーパー上階の宮脇書店も大きいが、中央を走る通路のせいか、図書館然とした佇まいのせいか、奥の壁が遠く感じる。なんだかわくわくする。

映画コーナーに行ってみた。棚3面にぎっしり並んでいる。いわゆるタレント本やロードショー映画に乗っかった企画本ではなくて、蓮實重彦とか黒沢清とか、イーストウッドとかゴダールとか、小津とか成瀬とかの名前が散見される、シネフィルの好きそうな本を置いている。さすがである。

つぎに、俳句のコーナーに行ってみた。こちらは壁際の背の高い書棚が2面。俳句指南のハウツー本が多いのはどこでも同じだが、山頭火関連の本が異様に充実しているのが面白かった。これはリサーチの結果なのだろうか。ちなみに、「週刊俳句」編集の2冊『虚子に学ぶ俳句365日』『子規に学ぶ俳句365日』(草思社)が両方置いてあったのは、かなりうれしい。ほかの書店ではなかなか見かけない、ふらんす堂刊行の文庫版句集が何冊かあった。1冊買おうかと思ったが、欲しい俳人の句集がなかったので、結局買わず。

マンガコーナーへ。高野文子の『絶対安全剃刀』が置いてあるのはレベルが高い。吉野朔実の『Period』全4冊が揃っていたのは感動した。山岸凉子の充実ぶりがすごくて、持っていない作品があったら買おうと真剣に探してしまった。うう、我ながらオタクだ。

文庫コーナーはどこの書店でもそんなに変わらないが、陳列の仕方に個性が出る。文庫の買いやすさからいうと、私は宮脇書店の方が買いやすい。品揃えも遜色ない。丸善は整然としている分、ほんの少し威圧感があるような気がする。棚の高さかもしれない、ちょっとしたことなのだけれど。もちろんこれは、好みの問題だ。

結局この日買ったのは、京都の旅行本(明後日から京都へ行くのでね)、蓮實重彦+黒沢清+青山真治の放談本『映画長話』、ハヤカワミステリ『二流小説家』の3冊。ほかに読む本がいっぱいあるのについ買ってしまうのは、業みたいなものなんだな。

ついでに。

久しぶりに映画館へ行った。『舟を編む』と『図書館戦争』のどちらを観るか迷って、なんだかアクション映画が観たい気分になり、『図書館戦争』を観る。これが、想像以上に面白かった。きちんとアクションを撮っている。戦闘シーンも迫力があり、サスペンスも良い具合にかかっている。監督の佐藤信介は『GANTZ』を撮った人だが、10年程前に観た『修羅雪姫』を撮った人でもあった。面白いはずだ。あの映画、ほんとにちゃんとアクションを撮ってたんだよなあ。

映画の後、ロビーでウォン・カーウァイの『グランド・マスター』のチラシを発見!四日市でやってくれるんだ。うれしい。これは観るでしょう。観ます。

『舟を編む』も観る予定。石井裕也監督の『川の底からこんにちは』は観ていないのだが、私の周囲でものすごく好評なので、DVDを探して観るつもりではあります。
by shino_moon | 2013-05-01 20:42 | | Comments(4)
Commented by feliza0930 at 2013-05-01 22:23
うわぁ!さすがですね。チェックするところが違いますねぇ。
私は本棚が名古屋栄のロフトのジュンク堂にちょっと似ているなと思いましたが、本の傾向まではわかりません(^_^;)でした。

『図書館戦争』も面白そうですね。
ウォン・カーウァイ、初めて見たのは『ブエノスアイレス』です。大好きなピアソラの音楽を聞きたかったからです。『恋する惑星』とかは香港映画大ファンの友達がDVDを貸してくれました。
shino_moonさんはウォン・カーウァイ監督のファンなのですね!
Commented by shino_moon at 2013-05-02 08:36
felizaさん

おはようございます。
映画は好きで、俳句は実際にやっていて、いつも書店のそのコーナーへ行くので、丸善でも行ってみました。
傾向というか、チェックしたまんまを書いています(^^;)
ジュンク堂と丸善は、いまは同じグループ会社の子会社になってるんですね。

『図書館戦争』面白かったですよ!
アクションありドラマあり、仄かに恋愛要素ありで、塩梅の良い映画だと思いました。

ウォン・カーウァイもですが、むかし、香港映画がとても好きだった時期がありました。
トニー・レオン、金城武が好きでした(今でも好きです)。
カーウァイの映画では『花様年華』がとくに好きです。
Commented by のよ at 2013-05-05 20:04 x
グランドマスターは、ウォン・カーウァイの作品として、初めて単館系ではない上映なのでドキドキだと、カーウァイ監督ファンの友人が言っていました。作品の良し悪しもドキドキですが、興業的にドキドキ…というところでしょう。
ドキドキのわくわくです。

feliza0930さん、はじめまして! ブエノスアイレスは、熱くて濃かったですねえ(≧▽≦)

「川の底から…」で、満島ひかりという女優、すごい!と思ったのでした。全編ハイテンションすぎるところが気にかかったけれど…。
やはりひかりちゃんの真骨頂は、「悪人」のトホホなOL役にあると、私は思っているのでした~。
Commented by shino_moon at 2013-05-07 11:33
のよさん

>初めて単館系ではない上映なのでドキドキだと、カーウァイ監督ファンの友人が言っていました。

あ、そうなんだ。だから四日市でも見られるわけですね(^_^)v
楽しみです。

満島ひかりが良い、というのはいろんな人から聞くのだが、じつは演技する彼女は『悪人』のOLしか見たことがないのです(^^;)
でも、ただ正面を見据える静止画像を見るだけでも、その理由が分かるくらい良い表情を持っている女優だな、と思います。
やっぱり『愛のむきだし』を見なきゃダメかなあ。
4時間という長さと、園子温の作風が苦手なので避けているのですが。。
4時間でも『ユリイカ』は良かったからなあ……園子温じゃないけど。


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