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チャーリーとチョコレート工場(2005年)

 『ビッグ・フィッシュ』につづく「父子もの」。でも、あちらに比べると毒があって、それがまた、なんとも稚気あふれる毒。見ようによっては「公然誘拐」のようなおかしな趣もあって、いやあ、楽しんだ。
 「いじめられっこ」の視点から見た世界を撮らせると、ティム・バートンの絵は冴えに冴える。

 ティム・バートンの映画には、ベタな物言いになってしまうけれど、奇異なものごとや奇異な人々へのまなざしの根底に「愛」がある。だから、それがどんなにへんちくりんな風に描かれていようとも、観客は安心して、心おきなく楽しむことができるのだ。
 妙な映画なのに、「これは子どもに見せてはヤバイ」という感じがしない、どころか、子ども連れで来たら楽しいかもしれない、なんて思わせるのは、よくよく考えてみると、面白くも希有なことではないか。

 ジョニー・デップは十分すぎるほどに変だし、チャーリー役のフレディ・ハイモア君は可愛いけれど、今回はインパクトのある脇役陣のおかげで、きらほしのごとく、おもちゃ箱をひっくり返したようなキャラクターが揃っている。
 オタク心あふれる手の込んだ画面づくりは、もちろん絶好調。まさにFactoryな映画です。

監督:ティム・バートン
出演:ジョニー・デップ、フレディ・ハイモア、ディビッド・ケリー、ヘレナ・ボナム=カーター、
ディープ・ロイ、クリストファー・リー 
by shino_moon | 2005-11-14 00:57 | 映画(タ行) | Comments(0)


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