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避難勧告

日曜(9月4日)の朝、西念寺の和尚さんから電話がかかった。「朝日新聞、買った?」
はいはい、分かってます。分かってますが、こちらは暴風雨で、外に出られないんですったら。

引っ越してきて早々、紀伊半島に台風。

けど、やっぱり記事が読みたいので、歩けば3分のコンビニまで夫に車を出してもらって、新聞を買いに行く。
載ってる、載ってる。朝日新聞の読書欄、「著者に会いたい」に、デカデカと正装の和尚の写真。『コクリコ坂から』の原作者としてじゃなくて、句集で載るってのが、なんだかうれしい。
私がうれしがってもしょうがないんですが。
佐山哲郎句集『娑婆娑婆』、書店でお見かけになりましたら、ぜひ手にとってご覧下さい。俳人にも、俳句をやっていない人にも面白い句集です。

と、和尚のご尊顔を拝んでいたら、夫の携帯が鳴った。夫の職場の人かららしい。「なんだって?」と訊いたら、「お宅のあたりに避難勧告が出たらしいけど、大丈夫ですかって」
って、ええー! まあたしかに大雨が降ってますけど、避難しないといけないほどとは思えませんが。

急いでネットで検索してみたら、うちの町名のあたり、たしかに避難勧告が出ている。なんでも、近所を流れる「鹿化川」が増水して、あふれそうになっているらしい。
ところで、「鹿化川」はどこにあるのか。それすらも知らないので、再び検索。なんと「かばけがわ」と読むんだそうだ。鹿が化けた川? 水源は鈴鹿山脈だろうか。うちからはけっこう離れている。こじんまりした川みたいだから、集中豪雨でわりにかんたんにあふれそうな気もする。と言っても見たことがないので、何とも言えない。見に行きたいけれど、こんな時に見に行って流されたらシャレにならない。

避難場所を検索すると、これがまたけっこう遠い。えーっと、避難は歩いてしなくちゃいけないんですか? もうほんと、なにもわからない。普通そうですか? でも、こんなに遠いところまで歩いて避難する途中で川があふれたら、流されたりすることはないんですか? それだったら、3階の自宅にいた方がはるかに安全な気がします。
 
私より少しはこのあたりの地形が分かっている夫と協議の結果、うちは3階だし、川からは少し離れているし、ご近所のどのお宅も避難している形跡がないので、とりあえず避難勧告はやりすごしてランチを食べに行くことに決定する。

川をふたつ越えて、イタリアンレストランへ。ふたつとも大きな川だが、かなり増水している。
川を見てなんだかちょっと不安を覚えたせいか、ピザを食べていると、突然天の声が降りてくる。
川があふれない限り被害はないのだけれど、川は予告してあふれるわけではないし、そのときは突然来るし、あふれてしまうとこのまましばらく家に帰れなくなるかもしれない。そうなると、家にひとり残してきたななは?

そのとたん、ゆっくりピザを食べる気がしなくなった。残りのピザを大急ぎで口に押し込むと、速攻で自宅へ。なな! 逃げるときは一緒だからね。

と、けっこうな覚悟まで決めた一日だったが、豪雨は続いたものの川はあふれず、大事なく終わった。

一夜が明けて、月曜の朝。まだ雨が降っている。梅雨でもないのに、こんなにしつこく降る台風の大雨は、あまりお目にかかったことがない。
テレビをつけると、和歌山、奈良に大きな被害。避難勧告が生死を分けた地域もあった、という報道を聴きな避難勧告_d0020480_1141762.jpgがら思う。たしかに、避難勧告が出たことで注意は喚起されたと思うけれど、避難をする、しないは、最終的に本人の判断だ。自宅にいた方が安全だという判断も一方にあるし、それが結果的に正しい場合もあるだろう。

大切なことは、普段から自宅周辺の様子を把握しておくことと、そのときが来たら状況を正しく見極めることだ。書いてしまうとじつに当たり前のことなんだけれど。

思いもよらず、避難勧告についてまじめに考えてしまった。

とりあえず、近いうちに鹿化川を見に行っておこう。
by shino_moon | 2011-09-08 11:48 | その他 | Comments(4)
Commented by ノーザンポラリス at 2011-09-08 16:17 x
まずは台風お見舞い申し上げます。
やっぱり影響はあったのですね。
とにもかくにも、ご無事でよかったです。

災害時は、やはり個人の判断が大事ですね。
避難勧告といっても広域に出ていると、地域の端と端では危険度がまったく違ったりしますもの。

津波にしろ川の氾濫にしろ、水は怖いです。
東京だって、今回のレベルの台風が直撃したら、地下通路や地下駐車場に水が入り込んで、惨事になったかも。考えると背筋が寒くなりますよ。
想定外の被害に遭わないためにも、日頃から地域の状況を把握して、危険に対する感性を研ぎ澄ましておかないといけないですね。

Commented by shino_moon at 2011-09-08 23:50
ノーザンポラリスさん、こんばんは。
行って早々だったので、様子が分からず、ちょっとあたふたしました。
その土地のことを知らない、ということが、一番危険なことかもしれない
ですね。

東京は地下建造物が多いから、集中豪雨には要注意ですよね。
地下ではありませんが、最近のゲリラ豪雨と呼ばれる豪雨で、うちのマンションの1階が浸水したことがあります。
コンクリートに囲まれていて土の部分がなく、水の逃げ場がなかったからのようです。
都心の特殊な事情を実感したものでした。
Commented by のよ at 2011-09-09 08:25 x
避難するもしないも、最終的には本人判断…っていうところ、臨場感がありました。本人というのは、家族であり、隣人でもあるんだよね…。日頃の申し合わせや、連帯感が大切なんだと思っても、被災したことがない私は、なにも準備できていないな…。
お互い、避難リュックは、猫用も作らないとね!

それからノーザンさんは、きくちゃん用のリュック、用意しているかしら…(≧▽≦)
Commented by shino_moon at 2011-09-10 00:00
のよさん
私も、何の準備もできてません(^^;)
猫用避難リュックもだし、にゃんこがすぐにキャリーに入ってくれるように
練習しておかないと、です。


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